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厚生労働白書
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刑事事件摘発事例

労働基準法違反に基づく主要な書類送検事例

残業代不払いなどの、労働基準法違反による書類送検のうち、ニュースに掲載されるなどして社名が公表された主要な事件の一部を抜粋して掲載しております。

平成17年2月25日、家電量販店大手「ビックカメラ」の社長ら8名が、労働基準法違反で東京労働局により書類送検されました。
店舗のフロア責任者ら110人を「管理職」扱いにして合計1億2700万円の残業代を不払いし、また、従業員約280人に対し、労使協定(36協定)の上限を超えて時間外労働(残業)をさせたというものです。
平成20年5月16日、閉園したレジャー施設「東京ムツゴロウ動物王国」(東京都あきる野市)の運営会社「ムツプロ」(北海道中標津町)、およびムツゴロウの愛称で知られる畑正憲社長、労務管理責任者らが、青梅労働基準監督により書類送検されました。
調べによると、ムツプロは動物王国従業員18人の昨年6-8月分の賃金計約925万円を不払いした、というものです。
平成20年12月10日、牛丼店「すき屋」を全国でチェーン展開している外食大手「ゼンショー」と賃金支払担当者が、労働基準法違反で仙台労働基準監督署により書類送検されました。
アルバイトら3名が、平成19年11月に同労基署に残業代不払いで違反申告をし、労基署が是正勧告をしておりましたが、同社が応じなかった為、平成20年4月に刑事告訴がなされ、悪質だと判断されたものです。
平成21年3月6日、近畿大学(大阪府東大阪市、世耕弘昭理事長)と賃金支払担当者が、労働基準法違反で大阪労働局により書類送検されました。
本部の主任や係長など計34人に対して労使協定(36協定)の限度を超える時間外労働をさせ、残業代計約430万円を払わず、過去にも是正勧告しているのに違反を繰り返したため、だと判断されたものです。
平成21年3月12日、カレーうどんチェーン店「古奈屋」(本社・東京都豊島区)と同社の戸川貞一社長が、労働基準法違反で池袋労働基準監督署により書類送検されました。
平成19年に同労基署が是正勧告したが従わず、悪質性が高いと判断されたためです。
※古奈屋は83年に東京・巣鴨本店を創業。現在は六本木ヒルズなど東京のほか、兵庫県西宮市などにも計13の直営店を展開している。
平成21年4月15日、飲食店チェーンを経営する「大庄(だいしょう)」と、同社経営の居酒屋「日本海庄や石山駅店」の店長が、大津労働基準監督署により書類送検されました。
平成20年8月には、同店に勤めていた24歳の男性(京都市北区)が突然死し、同署が同年12月に過労死と認定していたが、調理や接客をしていた別の男性社員にも、平成20年4月~8月の5カ月間、別の男性社員に、雇用契約で定めた時間を超えて時間外労働をさせており、悪質だと判断されたものです。
平成24年3月6日、「宮越屋珈琲(コーヒー)」をチェーン(東京、仙台、名古屋など17カ所で喫茶店経営)展開している宮越商事(本社・札幌市)と同社社長、および労務担当責任者の女性が、東京・中央労働基準監督署に書類送検されました。
アルバイト従業員8人の割増賃金を支払わず、労基署の是正指導に対し、是正期日までに是正しなかったためです。
平成24年5月29日、大手和食チェーン「がんこフードサービス」(本社・大阪市淀川区)の社長(65)ら役員数人と、法人としての同社が、大阪労働局により書類送検されました。
前年12月に内部告発を受け、同社本社など5カ所を家宅捜索。過去2年分の賃金支払い状況などを調べたところ、月45時間を超える残業代の不払いが発覚しし、再三の行政指導に従わず、同社が組織的にサービス残業させていたのは悪質と判断されたものです。
(正社員約600人、5億円未払い)
平成24年12月6日、群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客7人が死亡したツアーバス事故を引き起こしたバス運行会社「陸援隊」と同社社長が、千葉労働局成田労働基準監督署により書類送検されました。
針生被告は事故2日前の4月27日、バス運転手に、時間外労働を認める労使協定を労基署に届けないまま2時間50分の時間外労働をさせ、4月15日には別の40歳代男性運転手にも5時間の時間外労働をさせたというものです。