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労働法の基礎知識

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労働時間、休憩、休日の適用除外者

労働時間、休憩、休日の適用除外者


労働基準法では、労働時間や休憩、休日を最低守るべき基準として定めており、違反した場合は罰則規定があります。
この基準は、原則すべての労働者に適用されますが、次の条件に当てはまる人については、除外されます。


  • 農業・水産業従事者
  • 農水産業従事者とは、農業、畜産、養蚕または水産の事業に従事する労働者です。
    農業・畜産業・養蚕業・水産業については、労働時間を正確に決めておくことになじまない業種であるために、労働時間・休憩・休日に関する規定について適用を除外されています。
    ただし、林業については、農業・水産業に比べ自然の状況に左右されにくいため除外されません。
  • 管理監督者
  • 管理監督者とは一般に部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者のことをいいます。
    管理監督者に該当するかどうかは、役職名ではなく、次のような判断基準によって実態に応じて判断されます。
    ◆出退勤の管理を受けていない/◆賃金面で一般社員より優遇されている/◆一定の権限があり管理的な仕事をしている
  • 監視断続的労働従事者
  • 監視または断続的労働従事者とは、一定の部署にあって、単に監視のみを本来の業務として従事する者のことをいいます。
    ※所轄労働基準監督署長の許可が必要です
  • 機密の事務を取り扱う者
  • 秘書など、経営者、監督者、または管理の地位にある者の活動と一体不可分であるため、出退勤等について厳しい管理を受けない者、労働時間等を管理することが難しい者が該当します。
  • 宿日直勤務者
  • 宿日直勤務者とは、定期的巡視、緊急の電話・文書の収受、非常事態に備えての待機等、常態としてほとんど労働する必要のない勤務を行う者のことをいいます。
    ※所轄労働基準監督署長の許可が必要です

上記いずれかの条件にあてはまる場合、残業、休日労働に関して、賃金を支払わなくても違法ではない、という事になります。
ただし、深夜労働については除外されていませんので深夜労働をした場合は割増賃金を支払わなくてはいけません。


みなし労働時間制

みなし労働時間制とは、一定の業務に従事する者について、実際の労働時間にかかわらず、所定の労働時間と労働したとみなすことが認める制度のことをいいます。


営業マンや記者のように1日の大半を社外で労働する業務や、デザイン作成などの業務の遂行方法を労働者本人の裁量に委ねる必要がある業務など、実際に何時間仕事をしているかを正確に把握することができない業務に従事する者については、通常の労働時間の算定は困難であることから、実際の労働時間にかかわらず、決めた時間を労働時間とみなすことを認めているのです。


みなし労働時間制は、つぎの3つに大別できます。

  1. 専門業務型裁量労働に関するみなし労働時間制 - 裁量労働制
  2. 企画業務型裁量労働に関するみなし労働時間制 - 裁量労働制
  3. 事業場外労働に関するみなし労働時間制 - 事業場外労働制



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